「湯田ダム(錦秋湖)」を活用した地域活性化

魅力ある公的施設・インフラの大胆な公開・解放

2018.10.11

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虹が架かる迫力満点の放流(ダム版アカデミー賞:日本ダムアワードで放流賞受賞)

  • 実施主体西和賀町、西和賀町観光協会、西和賀町産業公社、西和賀淡水漁協、西和賀町森林組合、西和賀町教育委員会、岩手県企業局、岩手県スポーツ振興事業団、東北自然エネルギー

ポイント

○虹が架かる迫力満点のダム放流と、地域観光施設との連携によるダムカード特典のコラボ

●船による湖上体験や、流木活用による薪割り体験、流木に生息するカブトムシ採取会を実施

●貯砂ダム内通路“水のカーテン”の一般開放・歩行体験(夏期)と、七色のライトアップ

取組の概要

湯田ダムの「非常用洪水吐き」の点検放流を、地域の観光資源として活用している。虹が架かる迫力満点のダム放流と、地域の観光施設との連携を強化し、ダムカード提示による特典を設定した。また、貯砂ダム内にある人工の滝 “ 水のカーテン”を「錦秋湖大滝」と命名した。全国でも珍しく裏側を通り抜けることができるこの滝は、平成 26 年から幻想的な七色のライトアップが実施され、さらに人気のスポットになった。船による湖上体験など「地域連携フェスティバル」と組み合わせることで、西和賀町の豊かな自然や特産品の魅力を満喫できるイベントも実施している。その他、女性や子供に人気の「流木薪割り体験」や、特に子供に人気がある流木に棲む「カブトムシの幼虫採取会」のイベントも実施している。

課題とマネジメント体制

湯田ダム水源地域の西和賀町は、ダム建設当時、国内最大規模の移転(約3,200人規模)が伴った。町の振興計画では、ダム完成後の町の発展を有畜農業と観光に求めようとするものであったが、ダム完成後 50 年間で人口が約 7 割も減少し、過 疎化(平成 30 年 2 月時点の人口 5,807人)と高齢化が進んでいる。こうした背景の中で、湯田ダム(錦秋湖)を最大限に生かしながら、豊かな自然と温泉、町の特産品を組み合わせ、「町の魅力の発信や集客を図る」取組がスタートした。湯田ダム管理支所・西和賀町・同観光協会・同産業公社を中心に、多くの町関係機関が連携しながら、地域資源を生かした地域活性化イベントを実施している。

ダムカード特典事例(道の駅錦秋湖でダムカレー割引)

流木の朽木に生息するカブトムシ採取会

成功要因

全国初となる「貯砂ダムカード」の発行、ダムカード提示による町観光施設の割引などの、優遇措置の実施、西和賀淡水漁業協同組合協力による釣り体験、湯田ダム産天然クワガタ抽選会、町教育委員会協力による船での湖上体験など、多彩な「地域連携フェスティバル」を併催した結果、来場者は 2,400人超、連携施設の売上は 50%増となった。「連携」「工夫」「行動」が重要なポイントとなり、来場者の 96%が満足と感じるイベントを開催できた。

失敗談とその対応

春の放流イベントでの「ダム堤体内見学会」は最も人気がある一方、人気があり過ぎて行列ができてしまい、「見学を待つのが大変」「見学できなくて残念」などクレームもあった。
そこで、行列の解決策として事前受付制にするとともに、事前受付に移行しても集客力が落ちないよう、アンケートで要望が多かった「放流を下から見られるような新たな見学ルート」を追加し、見学者の満足度向上に寄与できるように対応している。

取組の成果

定 性

    全国初の貯砂ダムカードは、反響が大きく、イベント期間 2日間だけで2,200 枚以上を配布した。その後も人気は続き、西和賀町観光案内所における案内の機会が約 2 倍増となっている。また、全国有数の迫力あるスキージャンプ式の放流や、全国でも珍しい滝の中の通行ができる貯砂ダム、天然のカブトムシが生息する流木など普段見られない景色や魅力的なイベントを組み合わせ、多くの関係機関と連携してパブリシティを展開した結果、数多くのメディアに取り上げられ、豊かな自然や温泉、特産品とともに、西和賀町の魅力を広くPR することに成功している。

定 量